先日、肩~肘~手にかけて痛みとしびれを訴える患者様が来院されました。
10ヵ月前、異常なほどの肩こりがあったが、いつもの事だからと放置する。
6ヵ月前、ふとした瞬間に指先の違和感を覚えたが、動かせなくなったり生活に支障が出るほどの悪い状態でもなく、仕事も忙しいため自然に治るのを期待して放置する。
2・3ヵ月前、指先にしびれを感じるようになり徐々に痛みを伴う事が増えてくる。それと同時に肘~肩にまで広がっているのに気づくも、まだまだ忙しくしばらく放置が続く。
1ヵ月前、ようやく仕事も一段落し時間が取れたので整形外科を受診。レントゲンやMRIを撮影したところ頸椎に若干の変性がみられた。痛み・痺れがあまりにもつらいので治すにどうしたらいいのか相談した所、頸椎の変性部位を手術することを勧められた。
『できる限り手術をしない方向で治療ができないか?』と悩まれた結果、保存療法を可能な限り試してみて、それでも無理だった場合は最終手段として手術をすることに決めたようでした。
当院に来院する前に数件他院で治療を受けられたようですがあまり改善がみらずとても困っていたようです。
そこで友人に相談したところ、以前同じような症状で当院に来院し無事に改善された方がいると聞いたとの事でした。
まずは問診と診察です。
頚部の徒手検査において肩・肘・指ともに元の痛みや痺れがあるが増悪することが確認できなかったため、頸椎変性よりもそのほか別の場所に原因があるのではないかと考えました。
続けて痛みが出ている肘関節・指関節の徒手検査を行ったけれどそこでも増悪がみられません。
ただ肩関節の検査をした時にはっきりと増悪がみられました。
そこで『胸郭出口症候群』を疑いました。
胸郭出口症候群では主に下記の3つの部位が障害のポイントとなります。詳細はこちらにも紹介してあるので確認してください。
- 首の付け根(斜角筋症候群)
- 鎖骨の下(肋鎖症候群)
- 腕の付け根(小胸筋症候群)
これら3つの場所を神経や血管が通るのですが、何らかの原因により血流障害や神経圧迫が引き起こされ、痛み・痺れが引き起こされる状態になります。
今回はこれらの場所を集中して手技や鍼にて施術しました。
結果は、あんなに苦しんでいた痛み・しびれが治療後にはさっぱりと無くなり、10悪い状態が1・2程度とほぼ全快に近い状態にまで改善され、大変喜ばれて帰宅されました。
腕~指にかけて痛みや痺れがみられた場合、胸郭出口症候群の可能性があります。
その場合、胸郭出口症候群の施術で改善する場合もありますので『あれ?おかしいな?』と思ったら一度受診されることをお勧めします。